協議離婚時に財産分与契約書を作成する上で気を付けるべき点~行政書士としての視点

離婚すること自体への合意及び離婚条件への合意がそれぞれ存在し、かつ、離婚届を提出できれば、協議離婚は完了しますが、財産分与に関して、口約束で終わりにするのは危険です。


これは、例えば、離婚時に上記の事項に関し、一方当事者が必ず支払う旨を約していても、再婚、経済状況の変化等により、支払が滞ったりすることがあるためです。


仮に、上記の事項を口約束で取り決めてしまうと、後々本当にそのような合意があったのかについて紛争トラブルが予期されます。


離婚時に財産分与契約書又は財産分与契約に関する公正証書を作成しておけば、合意事項が明確化されるため、このような心配は大幅に軽減されます。


特に、強制執行認諾文言が付された財産分与契約に関する公正証書を作成しておけば、財産分与の不払いがあった場合、確定判決がなくても、強制執行(差押え)が容易にできるので、大変有効と言えます(ただし、財産分与をする側に資力がなければ、強制執行も不調に終わる可能性がある点には注意する必要があります。)。



記:2017年5月26日
特定行政書士 伊奈川 啓明